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ゆめの森で大事にしていきたいこと

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ゆめの森が描く教育ビジョン、現場からのレポートなどについて掲載していきます。
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#読書

『幼保小中の子どもたちが混(交)ざりあう学校ってどんな状況?』 ~軽井沢風越学園見学の振り返り~

皆さまこんにちは。2023年春、開校予定の大熊町立学び舎ゆめの森を設計するチーム「飯田善彦・鈴木弘人大熊町教育施設設計業務共同企業体」メンバーの塚本です。 私たち設計者は、2020年9月にプロポーザルで選定頂き、大熊町と共に議論を進めながら2021年10月までに基本設計・実施設計を完了しました。2021年12月現在学び舎ゆめの森の建設に向けて、年明けからの工事着工を予定しています。 今回の記事は、プロポーザル選定後の2021年11月中旬に、大熊町役場職員と設計者、基本計画策

はじめまして、大熊町教育委員会です(後編)

前編はこちらから! 2011年3月11日のこと2011年3月11日午後2時46分。福島県大熊町は震度6強の揺れに見舞われました。津波は沿岸部の約2平方kmに浸水。町民12人が犠牲になりました。大熊町には、東京電力福島第一原子力発電所が立地しています。沿岸部にある福島第一原発も10mを越える津波に襲われ、電源喪失、1~4号機が放射性物質を放出する事態に至りました。 3月12日、大熊町の全域に避難指示が出されました。多くの町民が「2、3日のつもりだった」避難は、10年以上が経

はじめまして、大熊町教育委員会です(前編)

大熊町って?大熊町は、福島県の「浜通り」と呼ばれる太平洋に面した地域にある、人口1万人ほどの自治体です。とはいえ、普通の町とは少し事情が異なります。 2011年3月11日の東日本大震災に伴う原子力発電所の事故で、一時は全ての町民が町外に避難しました。「全町避難」と呼ばれるその状況は8年余り続き、町役場が町内での業務を再開したのが2019年5月。それから、公営住宅が建ち、商業施設ができ、福祉施設が完成し、2021年9月には交流施設と宿泊施設がオープンしました。私たちはまさに