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【日々の記録】「4C」の体力

皆さん、こんにちは。
連休が明けました。皆さんはどう過ごされましたか?
私事で恐縮ですが、遅れに遅れていた衣替え、ためにため込んできたゴミ、不用品もこの連休を利用して一掃し、私は気分爽快です。
本日垢抜けた心で、颯爽と学校へやってくると・・、やはり朝から賑やかです。
「〇〇に行って来たから、背中いてー。」
「みんなで◻︎◻︎行って、いっぱいあそんだー!」
「いいなー。ずっと家いたからつまんなかったー。」
過ごし方は人それぞれ。
家にいた人も含め、心なしか連休明けの表情が晴れ晴れしていて、まずは一安心です。
さて、本日のゆめの森を皆さんと一緒に振り返ってみましょう。

給食後、児童たちが話しています。
「今日の6時間目、なんだっけ?」
「え、4Cじゃなかったっけ?」
「ああ、4Cか。」
・・・4C?はて、何だろう?何かの符牒かしら?
・・疑問に思われるのも当然です。「4C」は学び舎ゆめの森オリジナルの授業です。
Communication コミュニケーション
Collaboration コラボレーション
Critical thinking クリティカル シンキング
Create クリエイト
4つの言葉の頭文字をとって「4C」です。簡単にまとめれば、
「みんなで話し合い、自身の強みを活かし、頭を使って考えて、新しいものを創造する。そんな力を演劇の手法を使って涵養しよう。」
そんな授業です。

虫歯だらけのピアノさん

努めて客観的に様子を書いていきましょう。
6時間目。3年生から8年生まで図書広場に集合です。
今日のテーマは、「テレビ番組を作ろう!『ヒーローインタビュー』」。
一つのグループ内で、ニュースキャスター、レポーター、声優、カメラマンの4つの役割に分かれ、短いコンテンツを作る活動です。
本日スポットを浴びるヒーローは「身近なモノ」です。
例えば椅子。きむじゅんが例を挙げて説明します。
「椅子の得意技ってなーんだ?」
「疲れた人たちを座らせること?」児童が答えます。
「じゃあ、苦手なことは?」
「高いとこから落とされたり、乱暴にされることかな。」児童が考え考え発言します。
そこに目を貼り付けた椅子「ヒーロー椅子マン」の登場です。
「こんにちは!僕は椅子マンだよ!」
声色を変えてきむじゅんが椅子マンの声優を務めます。
要は身近なモノを人に見立て、インタビューし、長所短所をモノに変わり声優が語る。その様子をipadで撮影するという内容です。

「早くやってみたい!」児童生徒のうずうずが伝わってきます。
まずは一つ目の動機付けの関門はクリアしたようです。
猛る児童生徒をドウドウとおさめ、きむじゅんが話を続けます。
「みんなやってみたい仕事ってあるでしょう?どんな仕事も一人じゃできない。自分のやりたい事だけやって給料もらえる人は、いません。
どんな仕事も仲間と協力することなしにできないんです。」
「それと・・。」きむじゅんが言葉を継ぎます。
「協力の他に『納期』も仕事をする上で大切です。Youtuberや、ゲームクリエーターもこの納期を守れない人は仕事になりません。
今日は皆さんにも納期を守ってもらいます。納期は・・15分後です。
では、解散!」

きむじゅんの合図で各グループがゆめの森に散っていきます。15分で役割を決め、ヒーローを決め、撮影しなければなりません。大忙しです。

「面白いのが撮れたよ!」
まずは3年生が息急き切って戻ってきます。
「うんんん・・・。」
4年生が悩みながらも帰ってきます。
15分後、何とか全てのグループが一本の作品を作り終え、本の広場に戻って来ました。さて出来栄えはどうだったでしょう?

人知れず学校を支える「柱マン」

私の正直な感想です。
「!」。想像以上の仕上がりです。
決して身内に甘いわけではありません。まさに想像以上なのです。
・・・正直にいうと私は「子どもを見くびっていた」ようです。本音を言えば、半数が時間内にまとめることは出来まいとたかを括っていたのです。
しかし、どうでしょう。
全員が納期を守り、わがままを通さず協力し、それぞれの持ち味を活かして役割を果たしています。アナウンサー役は文言を工夫し、声優は声色を変え、カメラマンは、ふざける事なく対象を捉えています。驚きました。
児童生徒に惜しみない心からの拍手を送りたい心境です。

私の特技は「人を癒してあげること」
可愛いヒーローの登場です。

ゆめの森は自由な校風です。
互いの自主性を尊重する学校です。
しかし、かねてより私の中で時折感情が燻るのです。
「やりたくないから、やらない。」
「自分の意見が通らなかったから、やらない。」
以前も書きましたが、そんな言葉、場面に出会う時です。
「それは違うんじゃない?」心が燻り始めます。
それは学校生活の中で自由とも、自主性とも少しずれている気がするのです。
読者諸氏の皆さんには首肯していただけると信じているのですが、社会でそのようなワガママは通用しません。
彼らの中で履き違えた「自由」をこれ以上飼い太らせるわけにはいかない。
「混同するなよ。」
勝手に使命感を持ち、これから時間をかけて声を大にして彼らに伝えていかなければ・・、そう思っていました。
ただ、本日の活動を振り返れば、ワガママを振り翳し、挑戦を放擲する場面はありませんでした。
みんなで話し合い、自身の強みを活かし、頭を使って考えて、新しいものを創造する。
そう確かに全員が「4C」出来ていたのです。
私は子どもたちに手をついて謝らなければなりません。

誰もいない放課後・・。
何だか椅子がお喋りしているみたい。

4Cの延長には、「演劇発表」があります。
彼らの力を信じ直すことで、未来の発表の可能性がさらに大きく輝き出しました。