見出し画像

【日々の記録】私がはじまる場所

皆さん、こんにちは。
突然ですが、皆さまに歌詞を一つご紹介いたします。

雪解けの透き通る雫 土に染み込んで
凍てついた大地から 花や木が目覚める
長い旅あきらめず 歩き続ける
心から聞こえるよ 呼びかける声
おかえりなさい おかえりなさい
種が芽を出す 優しい場所へ
おかえりなさい おかえりなさい
私がはじまる場所へ
おかえりなさい

関口直仁 作詞・作曲「私がはじまる場所」

音楽家関口直仁さんが、昨年の2月に上演した「ゆめの森演劇」のために書き下ろした音楽です。
過去に耳を澄まし、多様な価値観に出会い、自分の「好き」を探究し大きく育んでいく・・・。大きなメッセージが込められています。
ゆめの森に寄り添い、真摯に向き合ってきた関口直仁さんしか書けない名曲です。
この詩を読む度に、学び舎ゆめの森が育まれた会津若松の雪景色と優しい笑顔が蘇ってきます。
「私がはじまる場所」という歌詞は、楽曲を飛び出し、いつしかゆめの森の名コピーになりました。

「私がはじまる場所」
まさにここゆめの森で社会人一年生として新しい私を始める職員がいます。
本日は新デザイナー浜尾莉奈さんを紹介いたします。

新デザイナー浜尾さん。
ゆめの森で「社会人生活」がスタートする。

ゆめの森第2章が幕を開け、はや一週間。
新社会人として今どんな思いを抱えているのだろう・・。
本の広場で彼女と対峙します。

初日はとても不安でした。いや、不安しかありませんでした(笑)。
なんだかゆめの森って一般的な学校とは違うというイメージがあって・・・。
私なんか、まだ(教員として)基本的なことも分かっていないのに大丈夫なのかなって・・・。力になれるのかなって・・。
でも、一週間経ってなんだか少し安心したというか、うんワクワクしてきました!

どうしてそんな心境の変化があったのでしょう。
弾ける笑顔を見せた後、浜尾さんは続けます。

先生方が割と自分と年代が近くて。なんかお兄ちゃん、お姉ちゃんがいっぱいできたというか(笑)。すごく相談しやすくて安心しました。

自分は「お兄ちゃん」に含まれているのか?少々ヤキモキしながらもそこはグッと耐えて話を聞きます。

私、まだまだ教員として「これだ」っていうものはないんです。当然ですけど。
でも、先生方がみんな一緒になって一生懸命やってる姿を見て、まあ、それはこれから見つけていけばいいなのかなって。ここはそれができる場所なんだなって・・。

話の途中、何度も笑い転げる。
弾ける笑顔があなたの強み!

遠くを通り過ぎるこども園のおチビちゃんに目をほそめる浜尾さん。
ご自身はどんな子供だったのでしょう。

小さい時からソフトボールをやってました。元々父がソフトボールをやってて、その流れで自然と。ポジションはキャッチャーです。

お、バリバリの体育系かと思いきや、

いえ、クラシックバレエもやっていて(笑)。
どちらも大好きだったのでどちらか一つに決められなかったというか、・・・だからどちらも極められなかったというか(笑)。でも本当にいい指導者に巡り会えて、どちらも両立できるよう応援してもらいました。その時の先生方とは今でも繋がっています。

なるほど、そんな体験が「教師の夢」を育んだのかと思い話を向けると、
「ん・・・・・。」
少し考え、浜尾さんが再び口を開きます。

昔から、オーソドックスなことをする方が好きなタイプでした。
決められたことを、きちんとこなす方が得意というか・・。なんだか先が見えないことが不安で苦手だったんですね。
だから、高校時代まではみんなと同じようにやってきたんですよ。新しいことに挑戦して失敗するのが怖いっていうか・・。周囲の目を気にしちゃうっていうか・・。
でも、大学に入って、親元を離れ、いろいろな価値観に出会ったんですね。そこで、「あれ?私このままでいいのかな」って、「このままじゃつまらないよ」って思い始めたんです。

それがどんな転機を生んだのでしょう。

自分って何だろう。自分の強みって何だろうって改めて問い直した時に、
「やっぱり人と関わることが大好き!」って思ったんです。
不安症な面もあるんだけど、「人と関わりたい!それが私の喜びなんだ。」って。
それで大学では地域づくりをテーマに研究しました。人をつなげる仕事がしたいって。だから最初は地方自治体で働きたいなって思っていたんです。
でもよく考えると子どもも同じくらい好きなんですね。
じゃあ、二つを両立できる仕事は?と考えた時「教師」になったんです。
学校で子供と関わりながら、地域をつなげ作っていくこともできるはずだって!

先日ここに書いた通り、「ゆめの森」は、子供大人関係なくあらゆる人にとっての学び舎であってほしいと願っています。地域の方、お客様いつでも気軽に出入りでき、本の広場で緩やかに人が繋がっていく場所、そうあってほしいと願っています。もちろんセキュリティーの問題など課題も多いですが、どこよりも「社会に開かれた教育」の場を共創したい。私の願いです。
「人とつながり、人をつなげる。」
私の心が、浜尾さんの心と共振します。

新しいゆめの森パンフレット。
まさに浜尾さんにぴったりな私たちの学び舎。

いよいよ来週8日月曜日、「ゆめの森始まりの式」が行われます。
最後に浜尾さんは言いました。

正直、私モヤモヤしてるんです・・。うまく授業ができないかもって・・。
でも「人と関わることが好き」という自分の気持ちを大切に、1日でも早く子どもたちと仲良くなりたいです。
私も、そしてみんなも「ああ、ここにきてよかった!」と思えるよう、頑張りたいです。

ここは、「私がはじまる場所。」
真っ直ぐに語る浜尾さんの話を聞きながら、「あなたを大切に」というゆめの森ヴィジョンの一部が、頭の中で何度も何度もリフレインされました。