【日々の記録】6/20 天空の 藍に跳ねるや 児(ちご)の歌
仮設学び舎ゆめの森の敷地の片隅に、小さな野菜畑があります。「野菜畑」といってもプランターに野菜苗を植えただけの、それはそれは小さな野菜畑です。
粗末といえばそれまでですが、子どもにとっては胸踊る立派な野菜畑です。
ナス、トマト、ピーマン、インゲン、きゅうり、じゃがいもが小さなプランターの中で息づいています。
苗の世話は、下級生の役割です。たっぷり収穫するために、毎日の水やりに、肥料を与えたりとなかなか頑張っています。
「あ、またトマトが大きくなったよ。」「ナスの苗に花が咲いたよ。」
少しずつ豊かになっていく野菜畑に、子どもたちの期待も膨らんでいきます。一息ついて上を見れば、ぬけるような青い空。
新しい学び舎ゆめの森の敷地には、大きな畑が用意されています。リンリンと汗をかき、賑やかに畑を駆け回る子どもたちの姿を、静かに夢想しました。
朝顔の 思い天まで 笑ひ顔
野菜と一緒に1年生はアサガオを育てています。今日はみんなでアサガオの観察です。見るだけでなく、触ったり、匂いを感じたり、伸びるツルを体で表現したり、感じ方は様々です。種から育てたアサガオは、だいぶ大きくなり、愛着もひとしおです。
「新しい葉っぱはざらざらしてる。」「見て。ここ鳥みたい。」
大きくなったアサガオの記録を残すため、色鉛筆で絵を描きました。上の写真はその中の一枚です。高く伸びたアサガオの背後に、うっすらと微笑む顔が描かれています。きっと子どもの目には、一緒に遊ぶアサガオの精が見えたのでしょう。
濃淡の 絵の具さやかに 時をこえ
2年生の図工の様子です。今日は絵の具を使って作品を作りました。イメージを絵にする前に、絵の具の特性の研究です。水で色を薄めたり、色と色を混ぜたり。
「山の色は、緑だけじゃないよ。少し青も混ぜてみたよ。」「青い絵の具は、水をたっぷりにすると、本当の海みたいになるよ。」
パレットの実験が終わったら、さっそく絵を描いてみます。好きなものをたくさん描き込んだり、「古代の世界」を表現したり、なかなか奮っています。
最後は作品を手に、パチリ。気分はすっかり芸術家です。
天空の 藍に跳ねるや 児(ちご)の歌
覚えていますか?
ゴールデンウィークがあけた頃、大熊町農業委員会の皆様と一緒にさつまいもの苗植えを行いました。その時は、「大切に育てます!」と意気込んでいた子どもたち。
あれから1ヶ月・・。毎日の忙しさにかまけて、少し離れた畑のことをすっかり忘れていました。
「このままじゃ、約束を破ることになっちゃう・・。」
善は急げ!そうと決まれば行動は早い2・3年生です。午後、さつま芋苗の様子を見にいくことになりました。声高らかにレッツ・ゴー!
久方ぶりに見るさつまいもの苗たち・・。果たして元気に育っているのか・・。
ドキドキしながら畑に到着です。
「あれ?私たちの畑、、どこ?」
畑一面に草が伸び、芋の苗がどこにあるのかわかりません。すっかり変わった畑の様子に言葉を失います。草をかき分けかき分け前進すると・・。
「やったー!」「元気だよ!」「大きくなってる!」
草と共に健気にも大きく育ったさつまいも苗に、一同一安心。みんな芋に対しての薄情を詫びながら、自分達にもできることはないか作戦を練ります。
「水は?」土に手を入れてみます。「湿ってる・・。」
「けっこう、雑草がたくさん生えちゃった・・。」「よっしゃ、草むしりだ!」
汗びっしょりになりながら、みんなで大きな草を抜きました。畑を抜ける風が、汗でほてった体に心地いいです。ほのかに土の匂いも感じます。せっせせっせと手を動かす中で、自然と歌が生まれます。
「みんなもいいな るんるんるん」
ゆめの森の歌です。歌はだんだん広がって、いつの間にか大合唱になりました。すっかり気分が良くなって、青空の下の合唱会は、学校に到着するまで続くのでした・・。