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【日々の記録】 やさしさの 音ぞ鳴るなり 募金箱

皆さん、こんにちは。
先週の土曜日に無事「ふるさと創造学サミット」が終了いたしました。Youtubeをご覧いただいた皆様、この場をお借りして御礼申し上げます。
創造学サミットでは、他校の発表も力作ぞろいで、非常に見応えのあるサミットとなりました。我が学び舎も1年生から9年生まで異学年混合の魅力を活かしたゆめの森らしい発表でした。まだまだ内容的にも発表の精度的にも不十分なところもありましたが、児童生徒はやり切った満足そうな顔をしていました。
他校の完成度の高い発表を見て、「ゆめの森、大丈夫か?」と最初恐れおののいていた私に、あるデザイナーが言いました。「大切なのは、発表の出来じゃなくて、ふるさと創造学の日々の活動ですよ。発表の出来は副産物みたいなもんです。」
なるほど。発表後の彼らの表情を見て、深く納得した私なのでした。

さて、今日のゆめの森を皆さんと一緒に巡ってみましょう。

ご協力ありがとうございます!

3時間目終わり、昇降口で1・2・3年生が気炎を挙げています。
「よっしゃ!やるぞ!」「おねがーいしまーす!」
「何をお願いするの?」と問えば、「募金お願いに行くんだよー!」
まさに救世軍のラッパのような賑わいです。早速彼らの行進の後に続いてみます。
到着したのは、リンクルおおくま前。今日は住民福祉センターの皆様と一緒に「歳末赤い羽根共同募金」のお手伝いです。時間がまだお昼前のせいか、人通りはまばらです。さて、多くの方の賛同を得ることはできるのでしょうか?

やさしさを 重さにかえて 助け合い
募金せり 足取り軽し 赤い羽根

住民福祉センターの皆様より、タスキと募金箱を預かって、凛々しく活動スタートです。「募金お願いしまーす!」「ご協力お願いしまーす!」
声を懸命に張り上げる児童たち。どうやら彼らなりに使命感に燃えているようです。「恥ずかしい・・。」いつもなら言いそうなところですが、全員が寒風のなか、顔を真っ赤に大きな声で頑張っています。開始して10分くらいは、人も少なく、虚しく声のみが空に吸われていきます。次第に声がまばらになっていきます。
「なんだか、それじゃあかわいそうな子供達みたいだよ。」住民福祉センターの皆様に叱咤激励され、再び声に力がこもります。車が一台また一台と駐車場に到着するたび、彼らの声が高まります。
「おー、頑張ってるね。」おおくまーとにお昼を食べきに来た親切なお客様が、お金を入れてくれます。優しさが硬貨にかわり、ずしりと音を立てます。
「ありがとうございまーす!」みんな群がり、御礼を言ったり、羽を渡したり、ティッシュを差し上げたりと賑やかです。思いがけない大歓待にお客様も顔がほころびます。一人また一人と、親切な方々が足を止め、募金に協力してくれます。
だんだん重くなる募金箱に満足顔の児童たち。かわるがわるに募金箱をゆすっては音を確かめ音を確かめ、にっこり顔です。

募金箱 振っては 音を確かめつ

「このお金は何に使われるの?」
ちょっと意地悪したくなって聞いてみます。
「えっとね、任天堂スイッチ買うの。」「お菓子買うんだよ。」
1年生があごをしゃくりながら、意地悪返しの回答をします。そこにピシリと3年生。「違うよ。ええとね。僕たちの街のために使うんだよ!」
そこでさらに聞いてみます。「街なのためって、、たとえばどんなこと?」
「んと、なんか、困っている人を助けるの。」
ここですかさず、住民福祉センターの方が、「うん、今度どんなことに使うかみんなに教えるよ。みんなが集めたくれたお金だもん。使い道をはっきりしなくちゃね。」
みんなの集めてくれたお金。この言葉に得意げな児童たち。活動に参加して、募金の使い道に俄然興味が湧いてきたようです。

僕らが集めた募金だかんね!
帰り道の足取りは、赤い羽根のように軽い軽い!ああ、楽しかった!

本日募金に協力してくださった皆様。本当にありがとうございました。歳末の助け合いに加えて、短時間でしたが児童たちにとって「自分が社会に参画している」という確かな自覚を感じることができたいい時間でした。
帰り道、「〇〇円入れてもらった!」「〇〇円ぐらいは集まったと思う!」
意気揚々と自分達の「戦果」について無邪気に語る児童たちの足取りは、軽々としています。・・どうか皆様、金額の話なんて、はしたないなんて思わないでください。
これも目には見えない「やさしさ」というものを、目にみえるものに還元した一つのわかりやすい形なのです。彼らがずしりと肩に感じた募金箱の重さこそ、彼らが実感できる、助け合い支え合う大熊の方々のやさしさの一つの形なのです。
師走の風の中、実にほっこりとした1時間でした。