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【日々の記録】伝承の会

大熊町伝承の会による絵音芝居は、
スクリーンに映し出される映像と音楽、
そしてマイクを通した声による芝居です。

音と映像、声による生の演劇

中学1年生は、2011年生まれです。
震災のことはお家の人から聞いたことがあっても、経験した記憶は残っていません。教職員の中には当時のことを思い出し、胸に込み上げるものがあったようです。

大熊中学校3年の女の子の作文では、三春に避難した家族の話と避難先での出来事が素直な言葉で書かれていました。

人の温かさ ボランティア
避難への不安 募金活動  
TVでは放送されない現実
「避難民お断り」
なぜ、差別があるのかと疑問に思ったこと。
厳しい状況の中でも銀行員さんに優しくされ、誰もが助け合える未来を切り拓いていきたいと考えた

困難な状況だからこそ、人の温かさや優しさは身に沁みます。

朗読にじっと聞き入る。

日隠山で震災前は盛大に行われていた山開き
頂上からは海が見えた
山開きの準備は大変だったけど楽しかった
語り手の思い出と共に、「大昔の天狗の伝説」の話が始まります。

日本各地で伝承活動を続けられているとのこと。

殉職した警察官のお話です。小学校4年生の男の子の作文
「おほしさまになったおまわりさん」
作文を書いた男の子とお母さんも加わった絵音芝居でした。

地震発生時、津波の避難誘導にあたる「おまわりさん」
津波警報と避難指示。大津波警報に変わります
車を捨てて高台へ避難するように呼びかけて津波に巻き込まれ・・・
パトカーごと流されて、今も見つかっていない
とても正義感の強い人だった
ヒーローのように思った

その「おまわりさん」の写真と形見の帽子を大切に飾っているそうです。作文を書いた男の子は現在小学校6年生。
伝えようと思いを込めた芝居に感動しました。

会津から大熊へ。ありがとうございました!

シンガーソングライターの佐藤正和さんの生歌唱「天国からの手紙」
歌詞に涙する子供もいました。

おふくろ
震災時、避難所で灯油が届かずストーブがあっても夜にしか使えない一時帰宅 持ち出される荷物が制限されている中、語り手の原稿を持ち出す「ふるさと」の歌が当時の大熊町の写真と共に流れ・・・避難生活を送る母、寄り添う息子の物語でした。

絵音芝居の後は振り返り、交流の時間。各学年に分かれ、感想を伝え合いました。
「歌を聞いて泣いちゃって、差別する人もいるけど優しくする人もいる。優しい人になりたいと思いました」
「2011年3月11日に何があったか分かった」
「地震で避難して、どこに行けばいいのか分からない不安。それを乗り越えて今があると思った。頑張って乗り越えたんだと思いました」
「地震の音にびっくりした。実際はどんな音だったのかを教えてもらった」

自分だったらどうしよう・・。みんなで考える。

大熊町は震災後、多くの困難を経験してきました。
避難生活を経験し、人の優しさや温かさに触れてきました。
「会津にお世話になったことが原点」
大熊町の民話や震災当時のことを伝えていこうとする思いを子供たちは受け取ることができたと思います。貴重な時間でした。ありがとうございました。

伝承の会の皆さま、本当にありがとうございました。
またゆめの森にお越しください。