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【日々の記録】今日は何の日?

皆さん、こんにちは。
早速皆さんにクイズです。
今日は何の日でしょうか?・・今日は、1月10日。数字をよく眺めて考えてください。・・もうお気づきの方もいらっしゃいますね。
そうです。1月10日、110。今日は110番の日なんです。
ということで、本日双葉警察署の皆さんと一日署長を務められた福島中央テレビ加藤さわアナウンサーが、110番の使い方を教えに、ここゆめの森に出張授業にお越しくださいました。

かっこいい制服に、大興奮!


110番。言わずと知れた緊急専用ダイヤルですが、皆さん利用した経験はございますか?残念ながら・・というより幸いにも、私は110番も119番も利用したことがありません。情報として理解はしていても、万が一いざ利用となると、何をどう説明するのか、冷静に話すことができるのか少し心許ない気がいたします。
もちろん110番も119番も利用しないのに越したことはありませんが、不確実な世の中、何が起こるかわかりません。念には念を。備えあれば憂いなし。何事も経験です。

頼もしい僕らのお巡りさん。


「皆さん、こんにちは!今日は正しい110番の使い方を一緒に勉強しましょう!」制帽凛々しく双葉警察署のお巡りさんが敬礼します。制服姿のお巡りさんを前に、児童生徒のうずうずも高まって、落ち着きがありません。ひとまず息を吸い込んでお巡りさんのお話を伺います。
お巡りさんのお話によると、福島県内だけで年間12万件の110番通報があるとのこと。単純計算1ヶ月あたり1万件の通報です。今この瞬間も・・と思うとぞくりとします。ただし、詳しくお話を伺うと、そのうちの4割は緊急性のないものだそう。緊急性のないものとは「いたずら」や「相談事」などが多いとのこと。まあ、「相談事」はともかくとして、「いたずら」の多さに驚いてしまいます。
「ですから、皆さんも絶対にいたずらで110番しないでくださいね!」
「はーい!」元気な返事にお巡りさんもニッコリです。

次ぼく!次あたし!順番をめぐるじゃんけん。


次に110番を実際にかけてみる練習です。とは言っても、まだ小学生。一人一台スマホがあるわけではありません。はて、外出時児童たちはどうすれば・・。
「これから公衆電話の使い方を勉強しましょう。」
え?公衆電話?・・・携帯電話の普及とともにすっかり影が薄くなった公衆電話。調べてみると、過去20年の間で利用率は98%も減少したとのことで、改めてその取り巻く環境の変化に驚愕です。今後も、年間3000〜5000台の公衆電話が削減される予定だそう。しかし地震大国日本では、災害時など携帯電話が使えなくなる事態を想定すると決して0にはできない通信手段であり、必要最低限数は維持されるとのこと。現在、公衆電話未体験世代に向けてNTT東日本では公式サイトでは「はじめての公衆電話キッズページ」という子供向けのページを掲載し、公衆電話の使い方や探し方などを発信しているのだとか。
おそらくゆめの森児童生徒たちも公衆電話未経験者がほとんどです。

「オレだよ!オレオレ!」?これは110番だぞ!

「まずは、受話器を持ち上げてから、ボタンを押します。」
え?そこから・・。浦島太郎の心境です。・・あのねぇ、おじさんが子供の頃はねぇ、よろず屋の前に赤い電話があってだねぇ、ジーコジーコとダイヤルを回して電話したもんだよ。え?ダイヤルって何?ダイヤルを知らない?・・と令和を生きる子供達にとっては、昭和のお話なんて博物館の陳列品みたいなもんでしょう。同じ時代を共有する幼き同志たちには、煙たがられないよう、おじさんの繰り言はひっそりと心のうちに留めて置くのが賢明のようです。
さて、受話器を持ち上げて、早速110番の実践です。
本の広場には公衆電話が持ち込まれ、110番すれば隣のお巡りさんに繋がる仕掛けになっています。

「はい。こちら110番です。」公衆電話の隣に警察署。
さあ、どんな風に説明する?


見目麗しい一日警察署長加藤さわさんが、イラストを掲げます。
「さあ、今こんな状況です。110番してみてください。」
変わるがわる交代で110番してみます。リリリリリリリ
「はい。110番です。事故ですか?事件ですか?」
「・・・・・・・んとね・・・・。」初めての110番に緊張の児童。なかなかスムースに行きません。
「今、事故の現場にいますか?お名前は?」とお巡りさん。
「・・・・・んと・・・、わかりません・・。」
非日常の環境に思わず自身の名前も忘れてしまったようです。こりゃ、練習が大切だと痛感します。練習ですらこの緊張感ですから、実際に緊急時においては尚更です。何も子どもをあざ笑うわけではありません。大人も同様、明日は我が身です。普段から想定しておくことがいかに重要かわかります。
緊張の児童も周囲のサポートのもと、無事お巡りさんを呼ぶことができました。安堵の表情の児童に、会場から拍手が起こります。
お巡りさんが言葉を続けます。
「一人だと、勇気がいるよね。でも、友達と一緒だったらどうかな?大変な時はみんなで協力して正しい情報を伝えてくださいね。」
次々現れる緊急事態にみんなで知恵を絞って110番していきます。正確な情報把握のためお巡りさんも質問します。一刻を争う事態。お巡りさんも冷静さを保ちつつも、悠長にはやってられません。矢継ぎ早に質問が飛びます。手に汗握る緊張の中、それでも児童生徒の興味は尽きないようで、体験希望者の手が引きも切らずあがり続けます。

名前は・・えっと・・わかりません。


ここで110番のスムースな伝え方をおさらいすると、
①何があったのか
②通報の何分前に起こったことなのか
③住所、または目標となる店舗、建物など
④被害、目撃情報など
⑤犯人の特徴(性別、年齢、服装、逃走方向など)
以上5点にまとめられるようです。わからないことは、はっきりと「わからない」と伝えることも重要だと習いました。
もちろん慌ててしまっても、警察の方で質問をしてくれるのでまず冷静になって答えることが重要とのアドバイスもいただきました。
無事110番を終えた児童たちには「公衆電話のガチャガチャ」がプレゼントされます。馴染みの薄い公衆電話のおもちゃに児童たちの目がらんらんと輝いています。我が懐かしの「ダイヤル赤電話」もガチャガチャの中にありました。おー、お前もいたんか!手を取りあわんばかりに赤電話との再会に歓喜する私をよそに、赤電話を引き当てた当の児童は、
「えー、緑のやつの方が良かった・・。すいませーん。変えてもらえませんか?」
・・ここでも冷遇される赤電話に、おじさんは一人悲嘆の涙にくれるのでした。

赤電話より、緑のやつが欲しいよー。

性善説に則って、日々仲良く朗らかに暮らしていくことと、万が一に備え、周到に準備を怠らないことは決して矛盾しません。「想定外」という言葉が一時期取り沙汰されましたが、平和な世の中だからこそ、あらゆる想定を怠らない姿勢が求められるのでしょう。世の中に「絶対」ということは存在しません。110番だけでなく、あらゆることを突き詰めて考える重要さを翻然と悟った1日でした。

みんなにも読んでほしいですか?

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