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【日々の行事】7/14 横様に 岩魚喰む子の いとけなし

皆さん、こんにちは。
本日は、5•6•9年生ネイチャーラボ1回目を開催いたしました。「ネイチャーラボ」を簡単に説明いたしますと、大熊の自然の中でたくさん発見して、たくさん遊んで、、んー、要するに地元大熊町を五感で学んで楽しんじゃおうというゆめの森独自の学び特別企画なわけです。下級生は既に町探検でいろいろな場所を探索しているのですが、上級生は今回が初めての町探検です。曇り空が少々心配ですが、みんな元気にいざ出発!のどかな田園風景の中、ゆめの森探検隊が賑やかに進んでいきます。

タケコプターならぬ、とんぼコプター
とんぼ舞う中、迎えてくれた松永さんと武内さん


「おはようございます!今日はよろしくお願いいたします!」
元気よく挨拶した子どもたちをにこやかに出迎えてくれたのは、このnoteで、もはやおなじみ「竹取の翁」こと松永さんと奥様、そして大熊漁業組合の武内さんです。さて、何が始まるのか、子どもたちのワクワクは今にも沸騰しそうです。
「今日はね、皆さんに魚取り体験や、野菜の収穫をしてもらおうと思います。」と松永さん。
「やったー!」「イェーイ!」「えー、生まれてはじめて!」
ここで子どもたちの興奮が沸点を迎えます。・・ちなみにここで沸騰した私たちのワクワクは、松永さんの御宅を去るまで温度が下がることはありませんでした。
お騒がせして申し訳ございません・・。

上手につかめるかな?
おう。上手につかめたぜ!


敷地の奥に案内されると、そこに生け簀が準備されており、中に魚が元気に泳いでいます。
「あ!魚だ!」「お!魚がいる!」・・当たり前なのですが、改めて目にすると全員から同じような声が漏れてしまいます。
「この魚は、何だか分かりますか?」
「え?ニジマス?」
「岩魚です。岩魚は山奥のきれいな川に住んでいます。」
本日の岩魚たちは、漁業組合で飼育した岩魚ですが、大熊町の里山の奥には岩魚がたくさん生息しているそうです。さて、いよいよ生け簀の岩魚を手掴みで捕まえます。魚の感触に大騒ぎしながらも、なんとか無事に捕獲成功。

生まれて初めて!
「ほら、見て。オレ上手やで!」

捕まえた魚は、その場で内臓を取り除き竹串に刺していきます。興味津々で最初から積極的な子がいる反面、もちろん生きている魚を捌くのに抵抗がある子もいます。
「こわい。」「えーキモい。」
しかし、松永さんや武内さんの指導の元、全員が挑戦します。普段口にしている魚の調理過程を体験し、日々命をいただいている事への感謝の念を新たにする子どもたち。最後は、全員がきれいに捌くことができました。

調理の過程を学びつつ、魚の内臓についても探究します。


理科に、家庭科に、道徳に。
まさに教科等横断的な学習の時間。

竹串に刺した魚はその場で炭火焼きにします。なんと敷地の奥には既に炭火がカンカンにおこされています。炭火にかざした岩魚からは、みるみる脂が滴り落ち、いい匂いがたちこめます。
「すごい!」「ぜいたくー!」「生まれて初めて!」
叫喚の中、松永さんの奥様が、みんなに声をかけます。
「さて、岩魚が焼けるまでの間、きゅうりをもぎに行こう。」

自分で捌いた岩魚。特別きれいに洗うよ。

岩魚の次は、きゅうり畑です。子どもたちは思わず駆け足、前のめりになってきゅうり畑に向かいます。
「まっすぐで、あんまり大きすぎない方が美味しいよ。」
奥様がポイントを教えてくれます。
「これどう?」「あ、あっちにおいしそうなのがあるよ。」
見慣れたきゅうりですが、「もぎる」のは初めての子もいます。慣れない手つきで、引っ張ったり、ねじったり。
「とれた。」
手の内におさまる命の重さと表現しましょうか。心地よいひんやりとした喜びが手に染み入るようです。

夏山家 瓜喰む音ぞ 快し

きゅうり一本
至福の時間

収穫したきゅうりはその場ですぐに実食です。私ごとですが、もぎたてきゅうりに味噌塗りつけて食べるのは何年ぶりでしょうか‥。懐かしさとともに、きゅうりの香りが身にしみ、心に沁みます。野菜は嫌いと公言していた子も、この環境がいい味付けになったのでしょう。しっかり完食です。あまりのおいしさに目を閉じ、体を揺らして表現する子もいます。

え!めっちゃうまい!
ちゃっかりデザイナーも全員ご馳走になりました。

「岩魚が焼けたよ。」
松永さんの声を号令に、みな豪快に岩魚にかぶり付きます。
「うめー!」「ちょーおいしいー!」
シンプルに塩をふって、炭火で焼いただけですが、想像の上の上をいく美味しさです。小骨も構わずみな一心に齧り付いています。普段は少食の子も、あまりの美味しさに頭と背骨を残しただけで、きれいに平らげていきます。

横様に 岩魚喰む子の いとけなし

まさに自分で手塩にかけて焼いた岩魚。

「ほれ、今朝とったタマゴもあるぞ。鶏も飼ってるから。あそこ、ほら。」
「時間あるなら、イノシシ食べてくか?茨城のイノシシだ。」
次から次へと登場する新情報に、全員が半狂乱。生まれたての可愛い雛鳥を横目に、多少残酷な気持ちになりながらもすっかりご馳走になってしまいました。


「貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。」と子どもたち。
「また、いつでもおいで。今度は、一緒に鮭の稚魚を放流しような。」
魅力的な約束を松永さんたちと交わし、お土産までいただき、御宅を後にしたのでした。
「ここに引っ越してきてよかった。」「めちゃ楽しかった。」「今度は泊まりでやりたい。」
・・・ほんと、そうだね・・。子どもたちの言葉が、私の心の声とシンクロしていきます。
豊かな大熊の自然のなかで、全身で大熊の魅力にかぶり付いた1日でした。
こうした思い出の数々が、私たちの豊かな「ふるさと」を形作っていきます。
ゆめの森は、私がはじまる場所。「大熊っ子」としての新しいページが、確かに今、開かれました。
松永ご夫妻、武内さん、本当にありがとうございました。

大熊っ子よ、この指とまれ!

みんなにも読んでほしいですか?

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